宮古の路地裏で貫く
肩肘張らない旨いすし

スナックや居酒屋が立ち並ぶ路地裏に、粋な佇まいの一軒がある。昭和59年(1984)開店の寿司と肴うちだては、呑みながらすしを楽しめる、肩肘張らない居心地の良さがある店だ。すしは元々大衆のもの。誰もが食べられるすし屋を目指したらこのスタイルになったんだと内舘義幸大将は笑顔で語る。カウンターに座れば誰もがたちまち、前にも来たことがあったような、と慣れ親しんだ感覚になれる店だ。


壁掛けメニューの「まあまあの寿司」が笑いを誘うが、握りから一品料理まで、そのどれもが堅実で旨い。ほろりと柔らかいシャリは人肌を信条とし、ネタの旨みをしっかりと支えている。瞬く間に握られたすしは繊細ながら、ユーモアを愛する大将に似てけれん味のない佇まいだ。すし一人前に煮魚、酢の物、揚げ物まで味わえる「寿司セット」は、破格の3,300円(税込)。ここにも、良い魚を気楽に食べてもらおうという大将の心意気が生きている。


地酒を片手に談笑しながら、思いついたところで気楽に嗜むすしも良いものだ。うちだてで是非とも食べておきたいのが、堂々たる存在感を放つ穴子の握り。宮古で穴子を食べるならここしかないと、店の名を挙げるすし通も多い。重厚感すら感じる身は口の中でほろほろとほぐれ、良い意味で予想を裏切られる瞬間がたまらない。まさに繊細かつ大胆に旨さを追い求める大将の技が成せる味である。それでいて「まあまあの寿司」などとのたまう、この店の粋な世界観には宮古のすし通も脱帽なのである。

地物を多く使った鮮やかな握り。「まあまあ」以上だ。

宮古産穴子の握り。数時間、煮詰めたツメは絶品。

小肌の酢の物。最近では宮古でも小肌が水揚げされる。

飲兵衛には嬉しい品揃え。ボトルキープも大歓迎。

 

店舗情報

 

店名 寿司と肴 うちだて
電話 0193-63-4334
住所 宮古市大通4丁目3-3大田ハウス1F
営業時間 17:30-23:00
定休日 日曜日
平均予算 3,500円〜4,000円
席数 20席
(カウンター6席、テーブル4席、座敷2卓10席)
駐車場

 

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