気楽にゆるりと
宮古カジュアルなすし屋

小さなすし屋紗らは、令和5年(2023)開店の新勢力。とはいえ、親方の鈴木徹哉さんは、長年にわたって宮古で握り続けてきたベテランのすし職人。握られるすしは精緻で美しく、名店の風情を漂わせる。その一方で、暖簾をくぐれば、いや、くぐる前から、店のカジュアルな雰囲気にギャップを感じないではいられない。バーカウンター然としたツケ場に立ってすしを握る鈴木さんの姿は、まるでバーテンダーがシェイカーでも振るかのようで愉快な驚きがある。

 
敷居が高く思われがちな世界だからこそ、ゆるさや気楽さが必要だと鈴木さんは語る。それを体現するかのように、ランチの懐石にはジェラートとコーヒーを付けるなど、型にはまらない姿勢で客をもてなす。いわゆる “すし屋らしさ”に迎合しないスタイルがこの店の「粋」の表現だ。とはいえ、すしそのものについては誠実そのもの。ネタは新鮮で心から旨いと思うものしか出さないという職人としての愚直さをどこまでも貫く。ゆるく見えて、実はストイック。そんな良い意味で多面的な店である。


紗らの一押しはなんといってもマグロ。厳選に厳選を重ねた精鋭だけを仕入れ、徹底した温度管理のもとで十分に熟成させている。ほどよく脂が乗った熟成後のトロは艶を増し、なめらかな口溶けのなかで芳醇で濃厚な旨みを伝える。「小さな」と控えめに名乗っているが、マグロの旨さを追求したこの一貫は、すしを知り尽くした親方の大きな仕事である。多彩な宮古のすしスタイルに、ひときわ鮮やかな色彩を加えるかのような紗らの世界観へと飛び込んでみてはいかがだろうか。

色、艶、形、どれをとっても鮮やかで美しい一皿。

熟成の度合いによって、絶妙な変化を遂げる大トロ。

鯛の尾頭を贅沢に煮出した、透き通るようなお吸い物。

 

店舗情報

 

 

店名 小さなすし屋 紗ら
電話 0193-65-6900
メール marina@rnac.ne.jp
住所 宮古市大通り2丁目3-17
営業時間 昼:11:00-14:00 (L.O.13:30)
夜:17:00-21:00 (L.O.20:30)
定休日 火曜日 (変更あり)
平均予算 昼:2,500円〜
夜:5,000円〜
席数 19席
(カウンター5席、テーブル2卓8席、個室6席)
駐車場 有 (5台)

 

 

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